09年11月15日(日曜日) 中日新聞

電子書籍化 英語圏のみ

グーグルなど修正和解案

【ニューヨーク=共同】米インターネット検索大手グーグルや全米作家協会などは13日深夜、書籍電子化をめぐる著作権権集団訴訟の和解案に関し、効力が及ぶ範囲を米、英、カナダ、オーストラリアの英語圏の出版物に限定することなどを盛り込んだ修正案を発表した。このため日本の出版物はほぼ電子化の対象から外れ影響を受けない見通しになった。

昨年10月の当初和解案では、米国での合意が日本や欧州などの出版物も拘束する内容だったため、フランス、ドイツ両政府が反発。日本の作家らの間では賛否がわかれ、波紋が広がっていた。特に一方的な訴訟手続きや、電子化された書籍の内容がデータベースに取り込まれ、ネットで内容が公開されることへの懸念が強かった。

グーグルなどはこうした国際的な動きに配慮し、理解を得やすい英語圏で書籍電子化事業の立ち上げを優先させる方針とみられる。

グーグルなどは米司法当局とも調整の上で和解案を修正した。書籍の全面電子化は地域が限定されたものの、実現に向け一歩前進したといえる。