09年11月7日(土曜日) 中日新聞

景気動向 基調判断引き上げ

9月、4ヶ月ぶり 数ヶ月前に谷

内閣府が6日発表した9月の景気動向指数によると、景気の現状を示す一致指数は前月から1.3ポイント高い92.5となり、3月を底に6ヶ月連続で上昇した。景気の基調判断を「下げ止まり」から「上方への局面変化」へ4ヶ月ぶりに上方修正した。昨年4月に基調判断の基準を改めて以来、「上方への局面変化」は初めて。

正式な景気の「山」や「谷」は、学識者による「景気動向指数研究会」で判定するが、「局面変化」は、景気の谷が数ヶ月前にあった可能性が高いことを示す。十月の一致指数も上昇すれば、基準により、「改善」に上方修正される。

一致指数が上昇したのは、鉱工業の生産や従業員の残業状況を示す指数など、輸出回復に伴う製造業の生産活動の改善が続いたため。個人消費の持ち直し傾向を反映して卸売り、小売りの販売額も微増。9月の有効求人倍率が2年4ヶ月ぶりに改善し、速報段階で使う9指標のうち8指標がプラスだった。

また、数ヶ月先の見通しを示す先行指数は3.2ポイント高い86.4と7ヶ月連続で改善。改善幅は今年6月と同じく、比較可能な1980年1月以来の最高値だった。以前の景気状態を確認する遅行指数は0.3ポイント高い84.5と2ヶ月連続でプラスだった。