09年11月5日(木曜日) 中日新聞

F1撤退「苦渋の決断」

トヨタ社長 参戦8年で終止符

トヨタ自動車は4日、自動車レースの最高峰、「フォーミュラワン(F1)世界選手権」から今季限りで完全撤退すると正式に発表した。F1参戦の歴史に8年間で終止符を打ち、し烈な競争を繰り広げるエコカー開発などに経営資源を集中する。

F1撤退は、昨年12月にホンダが決定したのに続き、唯一のタイヤ供給メーカーブリヂストンも来年いっぱいでの供給停止を発表。トヨタの撤退で日本メーカーのF1参加がなくなる。

東京都内で記者会見した豊田章男社長は、「ファンのことを考えると身につまされる思い。今の経済状況を考えると、撤退せざるを得ない」と説明した。

他チームへのエンジン供給も取りやめ、完全にF1から退くことになるが、F1に参戦していたドイツの子会社「トヨタ モータースポーツ有限会社」は規模を縮小した上で存続。全日本GT選手権や南米で開かれるダカール・ラリーなど他レースでの技術供与は継続する。所属している日本人ドライバーの移籍先は今後探す。